築150年古民家の住まい改修9構造躯体全体の補強と基礎

macchan22

2025年04月20日 09:24




古民家の改修では、基礎と構造躯体を
どのように補強していくかが検討されます。
この計画は昨年完成のため、躯体補強と断熱改修を基本とした
リノベーションとなっていますが、45坪の1階全体に基礎を造るとなると
躯体のジャッキアップも必要となり、とても予算は合いませんでした。

2025年4月からの改正基準法では、
確認申請を必要とする新2号建物となり、
このようは古民家では、許認可が必要となり、
必然的に、新設基礎を設けての構造補強が必須となります。

今回は新設基礎を設けていないので耐震性能が劣るかといえば、
それは少し違って、いわゆる石の上に建てられる石場建てと
足固め工法となってるため、これにより地震の揺れを吸収しています。

大黒柱280×260・小黒柱240×260・主柱150×150と
大きな断面と胴差桁120×360、主梁140×300など
頑強な躯体構成となっています。




直近でもこれまでの地震に耐えていますが、そこは耐震補強も必要で、
壁倍率4.0の構造補強28箇所には、
杉特一等材120×120の柱と桧土台120×120、
たすき掛け筋交い 45×90 杉特一等材と
筋交い・柱脚柱頭金物と共に補強しています。

また既存土塗り壁部分を残す部分には、
壁倍率2.5の構造用合板による4箇所を追加補強して、
全体にバランスよくおこなっています。

特に柱を追加する下部に土台が無い箇所もありましたが、
既存土台と緊結する足固め土台を追加することも必須です。
特に梁補強を伴う柱土台には自然石400Φで、
しっかりと荷重を受けるて伝えるようにしています。




まとめとして、以下の5点からと全体の壁量計算による
構造事務所との打ち合わせで、
梁補強や追加の柱支持と筋交い補強を含めた改修となっています。
1.石場建て+足固め工法となっていること
2.地盤と床下が良好で沈下もなく、乾燥して安定していること
3.白蟻被害が一部水回り土台に限定されていること
4.屋根瓦への改修と内部改修の一部による躯体沈下がないこと
※一部胴差桁の撓み部には柱追加による補強
5.直近の地震による被害が皆無

【千葉県東方沖を震源とする地震】
〇2023年5月26日19時03分頃、震源地:千葉県東方沖、M6.2、最大震度5弱
〇2020年6月25日04時47分頃、震源地:千葉県東方沖、M6.1、最大震度5弱
〇2018年7月7日20時23分頃、震源地:千葉県東方沖、M6.0、最大震度5弱




築150年の古民家の構造補強と断熱改修・はじまり
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