以前に、以下のブログをあげています。
築150年の古民家の構造補強と断熱改修・はじまり
https://atelier-m-architects.seesaa.net/article/503041445.html
住まいとして活用する古民家改修で重要なことは
構造補強と断熱改修が基本となりますが、
その方針を見極めるためのお話しをしたいと思います。
現地調査で、現在の古民家の状態を把握することが第一歩となりますが、
その前提となる図面の有無によって作業時間がかなり違ってきます。
図面がないことがほとんどなので、
まずは現状の図面を作成することから始めなければなりません。
平面、断面の寸法を記録しながら、
同時に目視でできる部分の現状を把握。
外部からは、屋根の瓦や外壁や土台・基礎、サッシ周り、
電気・テレビ・電話などの外部引込み経路や既存枡などの給排水設備。
内部からは、大黒柱・小黒柱をはじめとする各柱や床・壁・天井、
特に天井からの雨漏り跡の有無や水回りの壁や床は注意深く。
畳の間がある場合は、畳を上げると荒板があるので、
これを取り外して床下を点検することができます。
今回の古民家は以前の住まい手が瓦屋根改修や
玄関からキッチン・食堂、水回りにかけてのリフォームを実施しており、
キッチンのあったと所が床も撤去してあったので、
床下の状況を目視することができました。
次に屋根裏の中から小屋組や野地板からの雨漏りのチェック。
この古民家には屋根裏への収納ハシゴが設けられていて、
昔のカイコ室とおぼしき荒床敷きの10帖ほどの空間と
土間壁、そして小屋組を見ることができました。
1回目の調査では、ここまでで写真と共に、
まずは1階と小屋裏の既存図面を作成します。
そして、作成された図面を基にして第二回目の現地調査。
ここでは、平面図・断面図の整合性と共に、小屋組調査をおこないました。
着替えとゴム靴、頭に付けるヘッドライトを持参して
追加で充電式の現場用LEDライトも用意してもらい、
真っ暗な小屋組の大梁の上を行ったり来たりして、
母屋、タル木、束、方杖、大梁・小梁、桁、土壁の
寸法を測っていきます。これが結構大変な作業で、
この時は秋口でしたが、午後からの小屋裏は、
日射にさらされた瓦からの輻射熱が屋根裏に充満して、
滝汗に水分補給をしつつ、蒸し風呂状態での作業。
さすがに午後は早めに引き上げましたが、それでも4時間超え。
こうして集められた躯体情報を基にして
躯体のBIMデータ化していきますが、その辺りはまた次回。
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・・・どうも、ありがとうございました。
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